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蛮勇死人

バスのアナウンスが言う。
「春菊の持ち込みはお止めください」
な、鍋奉行
何度聴いても春菊と言っている。
この時期買い物帰りのお母さんの春菊所持率はかなり高いと思うのだが。
次のアナウンスでようやく言い直すと
「危険物の持ち込みはお止めください」
バス停に危険物を放置して乗ってこられたらどうするんだ。
「平和を愛する人だけ乗ってください」とかにしたらいいんじゃね。


朝から酔って大変でした。
明日もまた乗らなければならん。酔わなければならんわけではないはず。


寒さもとんでもなかった。晴れ続きで姿勢が崩れてたところだったから一入だわな。
それでもう一個書くことがあったんだった。


手先足先が、痛いのか痛くないのかよくわからなくなった。
耳が痛いので触ってみると指の方が冷たかった。まだ大丈夫だろう。
だって体はそこそこ熱い。息吐く度に白いものがあがる。息はむしろ荒い。
ところでこの白いものは何物だろう。
真実を知っている必要は無い。ただ僕の見た事実さえあればいい。そうしてこう思った。
僕の魂が一息ごとに夜に雨に呑まれていくようで、見ていると余計に寒い。
余計に寒いし、もし本当に魂が呑まれ続けているのなら一刻も早く止めなければ死んでしまう。
僕は息をするのを辞めた。
数十秒後、猛烈な息苦しさを覚え、再び魂を夜へ雨へ献上した。
一体何が僕を苦しめるのか。悩むよりも先に悟った。きっともう死神に憑かれてしまったのだと。
ここまで転がった思考はここで途絶えている。