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にらどんは一杯500円。尚、出前は承っておりません。ご了承下さい。

目が覚めた。
お、9時半か。メルヘヴン見れるぞ。
「にど!」
やっとオープニングが終わったところだというのに父さんが呼ぶ。
「はいはーい」


ってあれ?


父さんはドイツに出張してたはずなんだけど?
あれ?What?なぜなにどうして?
「突然だが、自転車でひとっ走り『くりーんセンター』に行ってきてくれ」
「え、なんで?父さん何時の間に帰ってきたの?」
「後で話すから急いでこれを○○(弟)に届けてくれ」




デカレンジャー・・・の水筒。
一体なんで弟はクリーンセンターになぞいるのだろう。
クリーンセンターというのはつまるところゴミ焼却場で、
家からは片道5キロはくだらない場所にある。
僕は今住宅街を縫うように爆走していた。
かなりの急ぎの用っぽかったので、直感というかなんというかで「行かなきゃまずい」と悟ったのだ。
しかし、思ってみれば水筒。これがそんなに必要になるとは思いがたいが。
行けばわかるだろう。




クリーンセンターは田んぼの真ん中にある。
臭いの問題やらなんやらで、そこが一番都合がいいのだろう。
ひびだらけのコンクリートを自転車が風のようにすっとんでいく。
もはやサイクリングなどとはかけはなれたものだ。
息せき切ってようやく到着。起伏が意外と多く、体力を大分消費させられた。
さてと、弟は・・・


どこだよ!


なんてったって市の焼却場。だだっ広いというのはこういう場所のことだと思う。
加えてあのちびっこい弟だ。遠目からじゃ見つけることは不可能だろう。
しかし、なんでだ。
入り口という入り口が閉まってるぞ
なにこれ。フェンス越えろってこと?しかしそんなことして不法侵入とか言われちゃたまらん。
と、周りを一周してようやく開いている入り口を見つける。
左回りすればすぐそこだったじゃんか('A`)
関係者以外立ち入り禁止、とお決まり文句が書いてあるが自分は関係者だと信じて突入。
入ったはいいものの、当てずっぽうに探すわけにもいくまい。
事務室がすぐそこにあったので呼び出してもらおうと入ってみる。
・・・。
・・・・・もぬけのカラ。
ええっ、この近くにバルタン星人でもいるのか。
なんにせよこれじゃあ探すに探せない。屋外にでてクリーンセンター内を徘徊してみる。
おかしい。
どうにも人の気配が感じられない。
思ってみれば、ここは日曜はやってないはずだ。
弟は一体なにしにこんなところへ。
ええいこんなところに居てもしかたない、家に電話してみよう。


あ。


携帯もってねえや。


携帯持ってないと実に不便だ。今度は公衆電話を探してうろうろする。
ふむ。どこにもない。
施設内に公衆電話置く必要はないと思うがやっぱり置いてないか。
しょうがないので、一旦外に出る。




ここはクリーンセンター前。
一人の工房が挫折感に打ちひしがれている。
公衆電話がない・・・orz
それもそのはず。なぜならここは田んぼのど真ん中だから。
ここから一番近い公衆電話の位置なんて把握してるほど土地勘はない。
していたとしても田んぼを突っ切るだけで500mはあるだろう。そんなまでして電話しなくてもいい気がする。
くそう、天は我を見放したか。
どうにもならないのでとぼとぼと自転車を押すにど。
すると、クリーンセンターの隣に(といっても、優に300mは離れていると思われる)やけにでっかい建物がある。
市民体育館である。
にどは完全にこの建物の存在を失念していた。
ここになら公衆電話があるかもしれない。




探すこと5分。
あっさり発見。
天は我を見放してはいなかった!
家に電話する。
にど「もしもしにどですけど」
父「おお、どうした」
に「今市民体育館から電話してるんだけどさ、クリーンセンターに誰も居ないっぽいんだけど」
父「クリーンセンター?」
に「クリーンセンター」
父「なんでそんなとこにいるんだ?
背筋を冷たい何かが走る。
に「えっ?だって『クリーンセンターに届けてくれ』って」
父「『近隣センター』って言ったんだが?」
に「( д )     ゜ ゜」
父「どうして弟がやってもいないクリーンセンターにいかにゃならんのだ」
に「いやでもさっき父さんがクリーンセンターって」
――――回想――――
「突然だが、自転車でひとっ走り『くりーんセンター』に行ってきてくれ」
――――回想終わり――――
――――脳内変換開始――――
くりーんセンター→ぃーんセンター→ぃーぃんセンター→ぃんぃんセンター→ぃんりんセンター→近隣センター
――――脳内変換終了――――
に「えっ、それじゃあ弟は近隣センターにいるわけ?」
父「クリーンセンターにはいないぞ、少なくとも」
に「えっ、それじゃあ全速力でここまで来た意味は?」
父「いい運動になったからいいんじゃないか?HAHAHA」




またもやひび割れたコンクリートをすっとばすにど・・・のはずが
一向にスピードが出ない。何故か。
ここは田んぼのど真ん中。
見渡す限り周りは田んぼ。
電柱すら立っていない。
前から風が吹いてくる。いわゆる向かい風。
そのすさまじさたるや台風の如し。
さえぎるものが全くない状態では風はものすごい強力になる。
行きに風のように速く走れたのはつまり、風に背中を押されてたからだったのだ。
ペダルが異常に重い。負けてなるものかと必死にこぎまくり、ようやく住宅地に逃げ込む。




予想以上に体力を使った。
体のところどころが文句をたれている。
しかし任務は遂行せねば。
近隣センターというのはつまり、地域の交流の場所で、
地元の小中学生を初めおばさんやらおじいさんやら様々な人が活動している。
家からは2キロやそこらだろう。
聞けば、母さんも一緒だというから、見つけるのには困らないだろう。




10分後。ようやく到着。
しかもあっさりと弟を見つける。
今までの苦労は⊂´⌒⊃。Д。)つ